●2019年1月
昨年は、新しい分野の仕事にも恵まれチャレンジさせて頂いた。
中でもナレーションの仕事がとても難しかった。英語通訳の方が本当に上手だったので、彼女のアドバイス通りマイクに向かって、「笑顔」で必死に読み続けた。
一番緊張したのは記者会見での通訳だった。歴史や政治内容を含む質疑応答に緊張したことを昨日のことのように思い出す。
民事裁判の通訳も初めてで、裁判手続きが刑事事件とは異なっていた。
それから、昨年も「知識構造化シンポジウム」の同通を任せて頂いたが、まるでフルマラソンを走ったような疲労感はやはり同じだった。
日中韓の子供達が集まって童話作りをする1週間の同行通訳も2度目となるが、体は疲れても、心が満たされ充実感を感じられる数少ない仕事である。子供達の一生懸命な姿、笑顔に何度も感動し、夏の暑さの中走り回ったものだ。後日届いたメールに感動がまたよみがえる。
だが、まだまだ100点満点の通訳はできていない。その日が来るかは分からないが、頑張って一つ一つの仕事の準備を行いたいと思う。
●2018年3月
昨年は、同時通訳をする機会が多かった。
夏の北海道で開かれた経済関連会議の緊張の中、平昌オリンピックのマスコットである「スホラン」の話題で和やかな気分になれたのを昨日のことのように思い出すが、いつの間にかオリンピックも閉幕した。
同時通訳ブース内は、緊張が付きまとう場所である。閉ざされた空間なので、基本的に暑い。パートナーへバトンタッチした後も、常に緊張が付きまとう。
コンサートホール4Fブースにおいて演劇の同通も初めて体験したが、セリフに合わせて話す難しさを痛感した。
「知識構造化シンポジウム」という難しい題目、内容もまた難しい発表を3時間同通した時は、まるでフルマラソンを走ったようだった。
たった1人のための通訳業務であれ、相手が10人、100人を超す場合でも、いつも同じ労力と熱意を持って挑んでいる。
経験を重ねること、そして惜しみなく準備することで、通訳能力も向上することを願っている。
●2017年1月10日
新しい年を迎え職務経歴書を更新しながら、昨年、仕事で出会った人々を思い返してみた。
法廷通訳研修に参加された候補生の方々の緊張感は、講師として参加した私に責任感を与えてくれた。細胞培養を行うクリーンルームでの技術者間通訳は、無塵服(目だけが見えている)を着用して通訳する難しさを経験させてくれた。映画祭では著名なプロデューサー、監督、脚本家らとのミーティングを通じ、作品制作の素晴らしさに触れることができた。
そして今年は、文化交流の一環で日本を訪れた多くの学生や社会人との出会いがあったが、そこでもまた嬉しい思い出が沢山できた。学校訪問や文化体験、企業視察など10日間のガイド通訳なのだが、人の数だけ物語が生まれる。空港では涙の別れありの特別な仕事。感謝の手紙も届いた。通訳者になる夢を熱く語った女学生からは、その日まで待っていてほしいとのメールが。自称「息子」も増えた。カカオトークのグループメールもひっきりなしに届く。
人と人との出会いは簡単なようで難しい。人生を変えるほど運命的な出会いもある。私は、私が仕事で出会う人々が笑顔になれる仕事がしたいと思っている。
通訳とは言葉を訳すだけではなく、人との繋がりを築いていく仕事でもあるから。
●2015年1月9日
昨年も多くの出会いがあった。
アジア会議や研修などの現場では、スペイン語、英語、中国語など他言語の通訳者とも知り合いになった。
情報交換は多岐にわたり勉強にもなるし楽しいもの。ワイヤレス機器などを使用する通訳現場では、「韓国語通訳のタイミングの速さ」が話題になる。
韓国語は語順通りに訳せるので、マイクを装着することで同時通訳が可能となる。
いち早く通訳を終えると、私は他言語の訳語に耳を傾ける。
同通ブース内では他言語が聞こえないので、また違った楽しさでもある。
知っている英単語など聞くと嬉しくなる。
集中力が要求されるので疲労も伴うが…。
言語が違うと文化も違うし価値観も異なるので、他言語通訳者とのコミュニケーションはいつも刺激的である。
●2015年1月1日
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り致します。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
●2013年8月1日
素敵な人との出会いには、常に素晴らしい感動がある。
今年の3月に久しぶりに日本でコンサートを行ったアーティストグループがいるが、彼らとの出会いは1年半前、野外ライブでのことだった。彼らは日本語が堪能だが、バックダンサーらとの打ち合わせもあり舞台演出通訳者としてご一緒した5日間だった。野外会場でのボリューム調整や、特殊効果の確認、衣装替えの楽屋の配置など、初日の打ち合わせ会議が終了したのは夜中になったが、次の日リハーサルでの彼らの歌は手抜かりなど全く無いばかりか、野外会場を作り上げるスタッフをすっかり魅了していた。私は役得だった。なぜなら舞台上の、一番近くでくり返し歌を聞いていたから…。
打ち合わせ会議では私の代わりに通訳する場面もあり、ユーモアたっぷりのジョークも聞かせてくれた。数万人を素晴らしい歌とダンスで魅了したスターが、ライブ終了後にはスタッフ一人一人に丁寧に挨拶をしていた。次回のコンサートを期して熱く語ったリーダーの言葉が今も鮮明に思い出される。
一緒に撮った写真は、娘の羨望の的となった。
韓流スターとの出会いは沢山あったが、彼ほど心に残る言葉を聞かせてくれた人はいない。最終日に、一日も早く、思う存分活動出来ることを共に願ったのが昨日のことのように思い出される。彼の頬をつたう涙をぬぐうのに、私が使用したハンカチを差し出すことはできず、代わりにテーブルのナプキンを渡した事だけが心残りとなった。
「アイドル」ではない素晴らしい「アーティスト」との出会いは、今でも大切な思い出である。
益々の飛躍を心から応援している。
●5年ぶりに韓国語レッスンを再開します。
この間、新たに韓国語の勉強をご希望の方や通訳者を目指す方などから様々なお問い合わせを頂きましたが、中々ご要望にお応えできずにおりました。
数年間学んだのに思うように会話が出来ないと伸び悩んでいる方からのメールや、スキルアップを目指している方からのご質問など…。
外国語の習得において大事なことは、使用する教材と講師の「教える力」です。講師との相性も大切でしょう。
「教える」ことはとても難しいのです。
ネイティブであれば誰もが教えられる訳ではないので、教材も講師もあふれている中、何を選択するかが問われるのです。カフェでの気ままなレッスン、入会費や数拾枚のチケット購入など高額な費用がかかる語学学校などもありますが、とにかく自分に合った方法を選ぶのが大事です。
JKリレーションでは、初心者には基本とポイントを学びながらしっかりと会話ができるようにするレッスンを、スキルアップを目指す人にはそれぞれのレベルに合わせたレッスンをご提供します。
講師歴20年のノウハウと、言語と真剣に向き合った通訳 10年の経験を活かし、今だから出来るレッスンを始めてみようと思っています。
個人レッスンご希望の方は、曜日と時間が決まればすぐにレッスン開始。
グループレッスンをご希望の方は、お友達とご一緒に申し込み下さい。
場所:HP記載されているJKリレーション事務所(韓国でデビューした歌手を始め大勢の方が通われた場所です)
費用:1レッスン90分 4,500円(グループレッスンの場合割引有り)
●2011.1
昨年、多くの方からお問い合わせを頂き、本当にありがとうございました。
お陰様で、昨年は、商談、プレゼン、観光、法廷など多方面での通訳・翻訳の仕事をさせて頂きました。
通訳の仕事は様々な現場で行われますが、そこで出会う人から学ぶことが多いことを今更ながら実感しました。マスコミに度々登場するカリスマ会長や、医学博士、十数名の弁護士先生と容疑者・被告人に至るまで…。緊張も伴うが「新しい言葉」との出会いが常にありました。
翻訳の仕事は時間も手間もかかる作業ですが、その過程が勉強であり、こなすほどにレベルアップしていくことを実感します。使用する言葉は人それぞれの癖や好みにより選択されるので、必ず2人以上のチェックを行う事で、間違いだけではなく高レベルな翻訳文章を完成させることが出来るものだと痛感しました。
今後もどうぞ宜しくお願いします。
●5月30日
先日、医療関連の講義通訳を行いました。
以前、栄養学の同時通訳は経験したものの、本格的な医療通訳は初めてでした。
臨床実験の教材や模型などのスライド説明をする医学博士の講義通訳でした。
初めから特に専門分野があるわけではなく、様々な分野の通訳・翻訳を経て「専門家」となるのが通訳者です。ですから、その準備は念入りに行いました。2時間の講義・質疑応答のための準備は丸一日。専門用語の詰め込みです。
多少の不安を抱きながらの仕事でしたが、無事終えてホッとしました。そして、程よい疲れを感じながら、被疑者弁護通訳の現場へと向かいました。
●2月19日
最近、日本企業から韓国在住の通訳者派遣に関する問い合わせを頂きました。
通訳者の現地派遣は経費削減に繋がります。
現在は、日本国内は勿論ですが、中国在住の通訳者からも登録に関する連絡を頂いております。
JKリレーションに登録を希望される韓国在住の通訳者からの連絡をお待ちしています。
●1月1日
新年明けましておめでとうございます。
JKリレーションのスタッフに、中国語の通訳者が新たに加わりました。
本年も皆様の多様なニーズにお応えするよう努めてまいりますので、宜しくお願い申し上げます。
お問い合わせをお待ちしております。
●11月24日
商談通訳を前日になって依頼されたことがある。
当日、30分前に簡単な打ち合わせを行い、突然の依頼の理由を聞いた。前日も商談が行われたが、通訳の日本語が聞き取れず、もう一度改めて行うのだという。その日、通訳を担当した「韓国側の友人」は、私が通訳を担当した会議にも同席し、何度か日本語で発言したのだが、日本側は必ず私に通訳を要求したので、後に韓国語を話すようになった。会議終了時に、全く同じ話を2度することになったことへの不満を語った韓国の社長は、昨日は日本語が全く理解できず会議をやり直したとの説明を受けショックを受けていた。通訳者は、発言者の言葉を代弁するので、時に人柄や学識の深さまでも表すことになる。「私は彼に通訳を頼みたくない」などと思いつつ一人苦笑いした。訳者を選ぶことは慎重であってほしい。
●10月23日
「…モッチネットンゴカタヨ」(翻訳字幕:素敵になったわね)
元恋人同士が久しぶりに会ったドラマの一場面で、自分は元気だけど貴方は元気が無いみたいだと続くのだが、何故か字幕は上記のようになっていた。
聞き違いによるミスだろう。
簡単な会話だったので確認を怠ったのだろうが、とても残念な1コマだった。
活字になる翻訳作業は、訳者にとっては緊張を伴う作業であるはず。
「なれ」には気をつけたいものだ。
通訳は実践であるが、その実践での実力向上のための勉強の場が翻訳だと思う。
翻訳ジャンルもさまざまで、その作業の大変さもまたさまざまであろうが、誤字・誤訳に気をつけたいですね!
●9月16日
通訳を行う環境は実にさまざまである。
その環境がほぼ毎回異なることは、緊張を伴うが楽しみの一つでもある。
しかし、数日前「劣悪な環境」に出会ってしまった。
ワンフロアの事務室の一角、電話のベルや会話が聞こえてくる「会議室」にて、通信機器を用いて音声会議を行うのだが、その機器の性能に問題があるのか声がよく聞き取れない。インプットにも手こずったが、アウトプットも一苦労。多地点(2~4箇所)で行う会議なので、小さなスピーカーに向って発する声も当然大声となるからだ。毎日2~4時間の会議を数日間継続したが、その疲労度は言葉では言い表せない。
通訳機材を揃えた同通ブースが最適な環境だという私の認識において、この環境は「通訳における劣悪な環境」としての位置づけとなった。
●8月14日
通訳業務で最も疲れるのは、二ヶ国語を混ぜた言葉を通訳することだと、最近痛感した。先々月、否認事件の集中審理裁判で、数人の韓国人が証言台に立ったが、日本在住が長期となった証人は、証言時間が長引くにつれ二ヶ国語が混ざり合ってしまった。公判という緊張を伴う場所での証言なので仕方がない。そして、「話しやすい言語での証言で良い」とされているので、後は通訳人の努力が必要となる。
日本語が多い証言は、まず韓国語で訳した後、今度は韓国語で表現した言葉を日本語に訳す。若干の説明を加えながら。その反対の場合もある。被告人は勿論、裁判官、弁護人、検察官など全ての人が聞き取れなければならないので、注意を払いながらの通訳となる。
長時間になると頭の中がパニック状態に近くなる。そして、ドッと疲れる。しばらくは思考が出来ないほどだ。
●8月3日
通訳を行う環境はほぼ毎回違うので、さまざまなエピソードがつきものだ。
韓国俳優の随行通訳で、カフェバーを貸切っての仕事を行ったときのことである。
店には、オーナーの友人という特権で同席した女性がいた。
仕事を終えた頃、その女性が私に、「アリーナの舞台で通訳した方ですよね?」と言った。席は4階だったので顔はよく見えなかったが、声と話し方で分かったとのこと。びっくりした。声を覚えているとは…。
韓流スターファンのその女性は、俳優と写真を撮った後、私とも写真を撮り大喜びしたので、「通訳さんもスターのようだ」と皆にひやかされた。
「声と話し方がとてもいい」と褒めていただいた、嬉しい日のエピソードである。
●7月28日
以前、40時間分の韓国取材テープを1時間番組に編集する映像翻訳をしたが、流暢な韓国語は言葉の途中カットするタイミングが難しいので、0コンマ数秒の作業を何度も繰り返すことになった。
専門分野のインタビューはとにかく長い。だが時間は制限されているから厄介なのだ。
放映当日、少しドキドキしながらテレビに釘付け。
字幕翻訳を担当したプログラム放映を見るのは、子供の発表会を見守る親の気持ちにどこか似ている。
●7月21日
最近、スペインワインリストの翻訳をした。
興味深い情報が盛り沢山の4万字の長文。ワイン産地ボデガにまつわる深い歴史、ブドウ栽培に適した土壌や気候、ブドウのスター的存在テンプラニーリョなどの豊富な品種や、ファインアロマの数々…。マセラシオン、ソレラシステムなど醸造用語を数多く検索した。「紫がかったルビー色、青みがかったルビー色、レンガ色を帯びた濃赤色、焦がしたトーストを食べるようなビターなアタック」…複雑で豊かな表現に出会うたび、そのワインを想像しながら翻訳した。翻訳終了時には、ソムリエ気分を味わうほどだった。しかし、スペイン語と英語によるカタカナ表記を韓国語に訳す作業はとても苦痛だった。今、スペインワインにはまっている。千年の歴史を持つリオハ、ラ・マンチャのワインがお気に入り。
●7月15日
「ひとり言」
時間があると韓国ドラマをよく見るが、翻訳文の素晴しさに感動することが多々ある。訳者のセンスによりドラマの品格もアップする。だが、最近見たドラマには驚かされた。まずタイトルに「意訳・誤訳あります」と記載されている。翻訳を見て本当に驚いた。誤訳というより、日本語が間違っている。訳文が長く、記号が多いなど、ドラマの面白さが半減するかのようだった。ネイティブによる2重チェックを行ったなら、こんなことは無かったはず。誇らしいと思える作品に仕上げることが大切だと思う。翻訳の仕事を地道に行うことは、通訳の実力を向上させる。
通訳の実力を向上させるには、翻訳の仕事を地道にこなすことが大切である。
●7月6日
「グローバル時代における英語の氾濫」
日本語⇔韓国語通訳の現場においても英語が氾濫している。IT関連の商談通訳においての専門用語は、ほぼ英語である。
和製英語と韓国人の英語とでは発音が異なること、またその言葉の意味を知らずには、商品説明が正確に伝わらないので、新商品を取り扱うたびに私の単語帳には英単語が増えていく。
日本語→英語→韓国語の3カ国表記による単語帳。
日々勉強です。
●7月1日
数年前、私は韓国文化を伝える講師として、練馬区の小学校へ招かれました。
韓国の歌を披露してくれた小学5年生は、皆ハングルに興味津々でした。
通訳者の仕事の話に耳を傾ける顔が、どこか大人びて見えた子供たち。日本語と韓国語による韓国民話の読み聞かせでの集中力や、韓国の民族衣装に袖を通した女子の
はにかんだ笑顔も忘れられません。数日後、先生が90名の感想文を一冊の本にまとめ送って下さいました。その中に、覚えたてのハングルで私の名前を書いた女子がいたのですが、その日に早速、家族にハングルを教えたと伝えてくれました。感動でした。この感動が私の生きる喜びです。好奇心旺盛な子供達が新しい文化と接する機会があれば、積極的に参加したいと思っています。
●2009年6月25日ホームページ開設しました。